あやちぃ綴り箱

神話、おとぎ話、伝承とか空想とか、そこから認知や心の動き、社会的なものを考えてみたいBlogです。

豚のイメージ 食べちゃうの?食べちゃダメなの!?

豚のイメージ

旧約聖書*1で、を「汚れた」生き物としていることから、キリスト教でも、それを受け継ぎ、に悪い意味を持つと聞きます。

たとえば、『真珠』の語源になったとも思われる記述が新約聖書にあります。どうも、『真珠』の意味は、「価値のわからない者には貴重なものも意味がない」*2ですが、そもそもは、に真珠を与えても、食べられないとわかると、吐き出して襲ってくるため、かえって仇をなすということらしく、その「真珠」の意味も「聖なる言葉」らしいです。それは、つまり「真実の言葉」と言い換えられると思いますが、そういう当時として理解しがたいものは、単に教えるとかえって害されるということでしょうか?

この点、ニーチェの「ツァラトゥストラ」にも、はじめ人々に教えを説くのですが、人々に理解されないくだりがありますよね。

 

ともあれ、「へのイメージ」に話を戻すと、マルコによる福音書のイエスが悪魔祓いをし悪霊を豚に追いやった話や、マタイ伝の放蕩息子など、どうも悪いです。

ふつうの絵を見ても、実際でもそうですが、顔かたちは可愛いぃ、、のにって思います。アルブレヒト・デューラーの『放蕩息子』のは可愛くないですが・・。

 

そもそもで言えば、のイメージが悪いのは、 旧約聖書(前掲)で豚が反芻しない動物だから「汚れた」動物ということらしいです。

もっとも、旧約聖書のこの律法でいう「汚れた」というのは、道徳的な意味で汚れているのではなく、食べていけないものという意味で汚れているそうで、現代でも旧約聖書の律法を厳格に守って暮らすユダヤ人はを食べないと聞きます。

 そういえば、イスラム教でも、は食べませんよね。あやっちの知人のイスラム圏出身者は、自身イスラム教ではないと言いつつ、やっぱり食べないとのことでした。すでに文化的に嫌なのでしょう。

 

ところで、ドイツ人はを食べます。血の混じったソーセージも食べちゃいますよね。

文化的に大丈夫なんでしょうか?

ドイツ語は、Schwein(豚)haben(持つ)で「幸運だ」という意味。すでに、よい意味にもなっちゃってますよね!!

 まぁ、イタリア人もスペイン人もを食べます。カルボナーラには、パンテェッタ(豚の塩漬け)をいれますよね。スペインのイベリコ豚も有名です。

実は、キリスト教では、を食べてもOK。「 外から人の体に入るもので人を汚すことのできるものは何もない」ということで、食物はみな清いとのことです。よかったですね!!

 

最後に、あやっちは読んでないのですが、「豚の文化史」なる本があるそうです。

*1:レビ記11章。豚だけではなく、ラクダやのウサギ、うろこのない魚も食べちゃダメ。

*2:スーパー大辞林3.0