あやちぃ綴り箱

神話、おとぎ話、伝承とか空想とか、そこから認知や心の動き、社会的なものを考えてみたいBlogです。

未来のお話し

未来のお話です。

 

チェーン店のおかげで、誰でもがコックさんになれ、どこでも同じように質の高い美味しいものを食べることができようになりました。なので、日本中のどこでも、どこかのチェーン店に属さないお店は一つもありませんでした。

チェーン店は、味も、質も、価格に比べてぜんぜんいいものです!! みんな安くて美味しいものを食べられていましたから、満足な、とてもよい社会に生きていました。

そんなある日、ちょっとした災害で、工場もとまり、流通もなくなりました。田舎の、とある町では、2日間、朝も、昼も、夜も、何も食べられませんでした。

 

『お母さん、お腹すいたよ~』と、子供の声。

『なにかありませんか?』と、いつものお店でお母さんは店員さんに聞きます。

『はぁ、なにせトラックが来ないんですよ。。』と、店員さん。

後ろからは、『俺たちなんでも作れるんですけど、材料がないことにはね…。』とコックさん。料理の入ったパックがないと、料理できませんものね。。

 

そのお店の裏側には、畑が広がっています。キャベツやピーマンがいっぱいありました。キノコを育てるハウスもあります。そして、鳥小屋には鶏も。

 

『あ~ わしらも困るわぃ。トラックが来てくれないと、野菜を運べないし、いつものお店に食べに行くこともできないわぃ。。』と、農家のお爺さん。

 

この農家のお爺さんの作った野菜はトラックに運ばれ、違う町の工場に。そして、そこで加工され、料理パックになって全国のお店に送られます。

コックさんは、このパックを待っています。このパックがなければ、料理なんてできようはずもありません。学校を出て10年間コックさんをやってきたお店のシェフも心待ちにしています。

はやく工場が回復し、トラックが来てくれることを祈りましょう。

古代の女性の活躍と悲劇について

今日は、ギリシア神話や古代の物語から離れて、ひとりの才人の話です。ちょっと調べ物をしていて、この女性をみつけました。

 

ヒュパティアといいます。

 

ヒュパティアは、400年頃にエジプト(当時ローマの属州)のアレクサンドリアの学校長で、哲学や数学を教えていたといいます。

 そして当時、キリスト教により異教の迫害があった時代らしく、その迫害に彼女も巻き込まれます。

415年3月8日、キリスト教の修道士たちは、ヒュパティアを馬車から引きずりおろして教会に連れ込み、彼女を裸にして、カキの貝殻で生きたまま体から肉を削ぎ落し、殺害したといいます。

 

この虐殺のちょっと前にテシオドス帝(395年没)によりキリスト教以外の宗教への弾圧が始められます。この皇帝、オリンピックを廃止したり、女司祭を廃止したり、同性愛者の逮捕のためテッサロニカの虐殺(ギリシア最初の虐殺らしい)をするなど、とんでもない人のようです。こういった狂気の時代だったんですね。。

 

ヒュパティアについては、映画にもなってるんですね。*1

ハンナ・アーレントの映画のときも見られなかったんですが、こういうのもっと上映してほしいものと、あやっちは思うのであります。

 

ところで、美貌の科学者とヒュパティアは思われていますが、映画も美人を使ってますし、想像画もそれなりです。でも、誕生年が遅くとも370年ころ… 亡くなったのが415年ですから、40歳は過ぎているんですよね。。

こういうところ、あやっちも性格が悪いとは思うのですが、偶像を見てしまう殿方にご指摘してしまうのです。

 

ごめんなさい。

 

ただ、この時代に女性科学者がいたのはすごいと思いませんか?

サッポー(女流詩人)と並んで、古代の女性の活躍史です。

 

 

*1:アレクサンドリア」,スペイン,2011年日本公開

へびのお話

 

ヘビと言えば、怖いという感情も。あやっちも田舎道を歩いていた際や、とある合宿の際にヘビに出くわして、驚いたことがあります。

そんな怖い存在のヘビ。神話のヘビはどのような扱いなのでしょう。

 

聖書では、イブを誘惑して禁忌の実を食べさせた原罪の象徴となってますし、ギリシア神話メデューサの髪もヘビです。

日本でも、娘を食べるヤマタノオロチは怖い存在です(でも、神らしい)。

 

一方で、ヘビは、医学の神アスクレーピオスの杖にもなってます。1匹のヘビが巻き付いた杖です。医学のシンボルです。2匹のヘビが杖に巻き付いてる有名な図はヘルメスの杖。こちらも、医療機関や厚生機関のシンボルになってます(誤解かららしいです)。

 

 

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ヘビは医学や知恵の象徴となっていて、日本でも、ヘビは神の使いらしいですから、その扱いはいいものです。ヘビ信仰もありますよね?

畏れと尊敬を集めながらも、罪や奸計のような悪いものとも感じられるヘビ。人間でも『ヘビのような』と形容されれば、ずる賢い、執念深いなどネガティブなイメージを思わせます。「蛇心」と言えば、「執念深く、陰険な心」*1だそうです。

 

ヘビをおそれ、嫌う一方で、人間はヘビを食べてしまうこともあります。お酒につけられちゃったりもします。この点、動物の一部を食すると、その能力を得られるてきな、原始宗教を想い起こしちゃいますが、そういう意味もあるのでしょうか・・。

 

 

ギリシア神話の母の愛

 

ギリシア神話には、女性の愛、母の愛があるんだって思えます。

大地の女神レアーの愛としては、夫クロノスが「いつか供たちに打ち倒される」というウラノスやガイヤの予言を恐れ、自分たちの供を飲み込んでしまっていたところ、子ゼウスのときは、代わって石をクロノスに与え、ゼウスを隠しました。

豊穣の女神デーメーテールも、娘ペルセポネーがハーデースに誘拐されたことを悲しみ、神殿に隠れ、作物が育たなくして、ペルセポネーに会えるようにしたと聞きます。

男のほうは勝手ですが、女のほうはを想うものということでしょう。

ライオンは、オスは、自分のでないライオンを殺そうとするらしいですが、母ライオンは、ライオンを守ろうとするらしいです。そういう愛情があるんだって思えます。

あやっちは、もちろん供はいないのですが、もし供ができたら、そういうものかとも思えます。

変な英雄,ギルガメッシュ抒情詩

ギルガメッシュ、あの『ギルガメッシュ抒情詩』の英雄についてです。

こいつは、どうみても悪人!!

ギルガメッシュは冒頭で「既婚・未婚の女を犯し、男たちを苦役で弱らせる暴君」*1たらしいんです。

これって成敗されて当然ですよね!!?

ところが、そう簡単にいかないんです。当然人々は神々に訴えたので、ギルガメッシュに対抗できる相手としてエンキドゥなる巨人を作るんです。

さあ、討伐を!と思いきや、そうはならない。

紆余曲折あってからですが、なんとエンキドゥギルガメッシュの友達になってしますんです!!

それ、話が違いません?

まぁ、その後、エンキドゥは死んでしまい。ギルガメッシュも不運にあえぐのですが・・・。

 

神話の英雄?というのは、どうしてこうも変なのばかりなのでしょうか!!?

でも、そもそも不思議なのは、ギルガメッシュは女神ニンスンと人間の間に生まれたのに、なぜか3分の2が神!ふつう2分の1じゃないの!?って思います。

 

 

*1:ミルチア・エリアーデ世界宗教史 1』中村恭子訳,ちくま文庫,2000,p.123

アネモネの花

朝、道すがらアネモネが咲いているのを見つけました。

オレンジ色の小さな小さなかわいらしい花です。

ギリシア神話で、アネモネは、アフロディーテの愛人アドネスが嫉妬をしたアレースの化けたイノシシに突き殺された際に、その傷口から流れた血から咲いたと聞きます。

アネモネ その語源は、ギリシア語で「」を意味するΆνεμος (anemos)から来ていると聞きます。儚い「」なんですね。。

冬は楽しかった?

も楽しいもの?

 

豊穣の女神デーメーテールの娘ペルセポネーがおじのハーデースにさらわれたのがきっかけで、冬が始まった話は有名ですが、「」って、やっぱり作物のない、枯れ果てたといった悪い意味になっちゃうんですね。。

あやっちは冬がそれなりに好きなほうなんです。の鍋物も美味しいですし、コートやセーターやマフラーというおしゃれは冬があってからと考えるからです。寒いの…たしかにちょっと考えものですが・・。

現代のように暖房器具が整っていて、炬燵に入って極楽極楽なら、スキーにスケート雪だるまで楽しめる季節ともいえるでしょうけど、自然の脅威にさらされながら生きなければならなかった古代には当然なのでしょう。

ところで、に対する不毛な季節とのみの評価を思うと、ヴィヴァルディの『四季』にあるソネットに「も楽しいもの」となったのは、それは、革命的な出来事となのでしょうか!!?